参照元:三信電気株式会社「開発受託製造サービス(ODM/OEM)」(https://www.sanshin.co.jp/solution/iot/odm_3/)
電子機器の試作は、製品開発における設計や性能、品質を検証するための重要な工程です。「どのような流れで進めたらいいか」「費用や期間はどれくらいか」と疑問をお持ちではありませんか?そこで本記事では、電子機器の試作の目的から工程、費用・期間、成功のポイントまで分かりやすく解説します。
電子機器の試作とは?

電子機器の試作品を製作することで、製品を量産する前に設計や性能、品質などを確認できます。設計上の問題や製造時の課題を早期に発見するために重要な工程です。ここでは、電子機器の開発・設計における試作の目的と量産との違いについて解説します。
開発・設計における主な目的
電子機器の開発・設計における試作の主な目的は、設計した製品が想定通りに動作するかを確認することです。回路や基板の設計段階では問題がないように見えても、実際に部品を実装して動作させるとノイズの発生や発熱、部品同士の干渉などの課題が見つかる場合があります。
例えば、新しい制御機器やIoT機器を開発する際には、設計データだけでは把握できない問題を発見できることがあります。そのため、試作品を製作して実際の使用環境に近い条件で評価を行い、性能や信頼性を確認することが必要です。
したがって、試作は製品の品質向上や開発リスクの低減につながる重要な工程です。量産後の不具合や手戻りを防ぐためにも、試作による十分な検証が欠かせません。
量産との違い
電子機器の試作と量産の違いは、目的と生産数量にあります。
| 電子機器開発設計の工程 | 試作 | 量産 |
| 主な目的 | 製品の性能や品質を確認する | 製品を継続的に供給する |
| 生産数量 | 数台~数十台程度の少量 | 数百台~数万台以上の大量 |
試作段階では、設計変更や部品変更が発生することを前提としているため、柔軟な対応が求められます。評価結果によって基板パターンを修正したり、部品を別のものへ変更したりすることも珍しくありません。
量産段階では、品質やコスト、納期を安定させることが重視されます。試作で十分な検証を行い、量産時のトラブルをできる限り減らしておくことが重要です。
電子機器試作の工程

電子機器の試作は、単に試作品を製作する作業ではありません。設計内容を形にしながら性能や品質、製造上の課題を確認するための重要な工程です。ここでは、電子機器を試作する一般的な流れを4つのステップに分けて解説します。
仕様の確認と部品の準備
電子機器の試作では、目的や仕様を明確にすることが重要です。試作の目的によって、確認すべき内容が異なります。基本的な動作確認を目的とする場合と量産を前提とした評価を行う場合では、必要な部品や検証項目が変わります。
仕様を確認したうえで、部品表(BOM)をもとに電子部品や材料を準備します。性能だけでなく、納期や供給状況も確認することが大切です。試作時には入手できても、将来的に調達が難しくなる部品には、量産時に問題が発生するリスクがあります。
以上のように試作品の仕様を確認し、適切な部品を準備することで、後工程をスムーズに進めやすくなります。
基板製造と電子部品実装
仕様の確認と部品の準備が完了したら、プリント基板製造と電子部品実装を行います。設計したデータを製品として形にする工程です。
基板設計データをもとにプリント基板を製造してから、チップ部品やコネクタ、ICなどを基板上へ実装します。近年の電子機器は小型化・高機能化が進んでいるため、実装精度が製品品質に大きく影響するのです。
試作品の製作では、設計上の問題が見つかることがあります。部品配置の干渉や配線設計の不備などは、実際に基板を製作して初めて判明するケースが少なくありません。基板製造と電子部品実装は、設計内容の妥当性を確認する重要な工程です。
組み立てと初期動作確認
基板の実装が完了したら筐体やケーブル、各種ユニットを組み立て、試作品を完成させ、初期動作を確認します。
例えば、「電源が正常に入るか」「想定した機能が動作するか」「異常発熱や異音が発生しないか」などを確認します。設計段階では問題がなくても、実機では想定外の不具合が発生する場合があるからです。
初期動作の確認によって、試作品が基本性能を満たしているかを判断できます。
不具合の検証と改良
電子機器の試作では、不具合を検証して改良につなげることが重要です。試作の目的は製品を完成させることではなく、課題を見つけて品質を高めることにあります。
初期動作の確認と評価試験の結果から、不具合の原因を分析します。例えば、ノイズによる誤動作や熱による性能低下、部品選定の問題などが見つかることがあります。問題の原因に応じて回路設計や基板レイアウト、使用部品などを見直すことが必要です。
改良後は再度試作品を製作し、同様の評価を実施します。検証と改良のサイクルを繰り返すことで、量産に向けた品質や信頼性の向上が期待できます。試作工程は単なる製作ではなく、製品をより良くするための検証と改良のプロセスです。
電子機器試作の費用と期間

電子機器の試作を外注する際は、費用と期間の目安を把握しておくことが重要です。ただし、試作の目的や製品の仕様などによって大きく変動するため、一律の金額や納期はありません。ここでは、費用の相場や期間の目安、コスト削減のコツについて解説します。
費用の相場
電子機器の試作費用は、仕様や数量によって大きく異なります。そのため、相場を一概に示すことは難しいものの、回路規模や部品点数、試作品数が費用を左右する主な要素です。
既存製品の設計をもとに少量の基板を製作する場合と新たに回路設計から行う場合では、必要な工数が異なります。また、高性能な半導体や特殊部品を使用する場合は、部品代が費用全体に大きく影響するのです。
そのため、試作費用を検討する際は合計金額だけを見るのではなく、どこまでの工程が含まれているかを確認することが重要です。複数社から見積もりを取って比較し、自社の目的に合った外注先を選びましょう。
期間の目安
電子機器の試作期間は、部品調達から評価までの工程によって決まります。一般的には、部品の手配状況や設計内容が納期に大きく影響します。
汎用的な部品を使用する場合は、比較的短期間で試作を進められます。一方で、特殊部品や海外から調達する部品を使用する場合は、部品の入荷待ちによってスケジュールが延びることもあります。試作後に不具合が見つかれば、設計の修正や再試作の期間も必要です。
そのため、試作を依頼する際は希望納期だけでなく、評価や改良の時間を考慮した余裕のある計画を立てることが大切です。特に新規開発では、複数回の試作を想定しておくとスムーズに進めやすくなります。
コスト削減のコツ
電子機器の試作コストを抑えるためには、目的を明確にすることが重要です。検証したい項目を整理しておくことで、不要な工程や部品を減らしやすくなります。
基本動作の確認が目的であれば、量産仕様の筐体や高価な部品を使用せずに評価できる場合があります。また、試作後に部品を変更するリスクを減らすためには、量産時に使用する部品を選定することが必要です。
さらに、設計段階で外注先と十分に打ち合わせを行うことも有効です。事前に課題を共有しておくことで、手戻りや再試作の回数を減らしやすくなります。
電子機器試作のポイント

電子機器の試作を成功させるためには、検証項目や部品選定、改善活動まで計画的に進めることが重要です。ここでは、電子機器試作で押さえておきたい3つのポイントを解説します。
試作段階に応じた検証項目を設定する
電子機器の試作では、試作段階に応じた検証項目を設定することが重要です。すべての性能を一度に確認しようとすると、試作の目的が曖昧になりやすいためです。
初期段階では基本的な動作確認を中心に行い、最終段階までに耐久性や信頼性、使用環境下の性能などを評価します。検証内容を明確にすることで、必要なデータを効率よく収集できるのです。
試作段階ごとの検証事項を整理しておけば、課題の発見や改善がしやすくなります。限られた期間や予算の中で成果を得るためには、試作の目的に合わせた評価計画を立てることが大切です。
部品の供給状況や調達の安定性を確認する
電子機器の試作では部品の性能だけでなく、供給状況や調達の安定性も確認する必要があります。試作時に問題なく入手できても、量産時には入手困難になる可能性があるためです。
特に半導体や電子部品は、市場環境によって納期が変動することがあります。また、生産終了が予定されている部品を採用すると、量産開始後に設計変更が必要になります。そのため、代替部品の有無や将来的な供給の見通しを確認しておくことが重要です。
試作段階から量産を見据えた部品選定を行うことで、後工程での手戻りを減らしやすくなります。安定した製品供給を実現するためには、部品調達の安定性が欠かせません。
不具合の原因を分析して改善につなげる
電子機器の試作で不具合が見つかったら、原因を分析して改善につなげることが大切です。試作の主な目的は課題を発見し、量産前に解決することにあります。
例えば、誤動作や発熱、通信不良などが発生した場合は、回路設計や基板レイアウト、部品選定などの観点から原因を調査します。単に不具合を修正するだけではなく、「なぜ発生したのか」を把握し、同様の問題の再発を防止することも重要です。
試作結果を記録し、改善内容を設計へ反映することで製品の品質向上が期待できます。検証と改善のプロセスを繰り返すことが、製品開発を成功させるための近道です。
電子機器の試作なら三信電気株式会社にご相談ください。
電子機器の試作は、製品開発の品質や効率を左右する重要な工程です。試作段階で設計内容や性能を十分に検証することで、不具合の早期発見や量産時のトラブル防止につながります。
三信電気株式会社では、電子機器の企画・設計から試作、部品調達、信頼性評価、実装、組立、量産までに一貫して対応しています。
半導体商社としての実績と国内外のネットワークを活かし、低コスト・短納期・高品質な電子機器の開発・製造をサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。








