IoTセンサとは?種類や選び方を解説

画像引用元:三信電気株式会社「LoRaWAN産業用IoTセンサ」(https://www.sanshin.co.jp/solution/iot/lorawan/)

IoTセンサは、温度や位置情報、設備の稼働状況などのデータを取得できる機器で、業務効率化や遠隔監視に役立ちます。本記事では、IoTセンサの基本的な仕組みから種類、選び方のポイントまで分かりやすく解説します。

IoTセンサとは?

IoTセンサとは、温度や水位、位置情報などの状況を検知し、ネットワークを通じてデータを送信できる機器のことです。業務効率化や見える化を進める手段として、製造業や物流、オフィス、家庭などで幅広く活用されています。ここでは、IoTセンサの基本的な仕組みと一般的なセンサとの違いを解説します。

基本的な仕組み

IoTセンサは、「測る」「送る」「活用する」という流れで動く仕組みです。

  1. まず、温湿度や振動などを検知し、数値データとして取得する
  2. BluetoothやLPWAなどを利用して、クラウドや管理システムへ送信する
  3. 管理者はパソコンやスマートフォンから状況を確認できる

異常があれば通知を受け取ることも可能です。例えば、工場では、機械の振動データを常時取得することで、故障の前兆を早めに把握しやすくなります。

以上のような仕組みで、IoTセンサは現場の情報を自動で集め、状況の確認や問題の対応などに活用されています。

一般的なセンサの違い

IoTセンサと一般的なセンサの大きな違いは、「取得したデータをネットワーク経由で活用できるか」です。

一般的なセンサにも温度の計測や人の動きの感知などの機能がありますが、単体で動作して現場で機器を制御します。例えば、自動ドアの人感センサや照明の点灯センサなどが代表例です。

一方で、IoTセンサは測定結果を離れた場所へ送信し、複数拠点の情報をまとめて確認できます。過去データを蓄積して変化を比較したり、異常時だけ通知したりできる点も特徴です。

IoTセンサの種類

IoTセンサには、温度や動き、位置情報などの測定対象ごとにさまざまな種類があります。用途に合わないセンサを選ぶと、必要なデータが取れず導入効果が下がってしまいます。ここでは、代表的なIoTセンサの種類と活用場面を確認しましょう。

温湿度センサ

温湿度センサは、室内や保管庫の環境管理に役立つIoTセンサです。温度や湿度の変化は、食品・医薬品・精密機器の品質に影響します。例えば、倉庫で一定の温湿度を保てているかを確認したり、オフィスの空調調整に活用したりできます。

圧力センサ

圧力センサは、空気や液体の圧力変化を測定したいときに便利です。配管やタンク設備では、圧力の異常がトラブルの前兆になる場合があります。工場設備の監視やポンプの状態確認などで使われることが多いです。設備保全を強化したい現場に向いています。

開閉センサ

開閉センサは、ドアや窓、扉の開いた・閉じた状態を確認するセンサです。出入口の管理や防犯対策に役立ちます。例えば、倉庫の搬入口が開いたままになっていないかを確認したり、店舗のバックヤード管理に活用したりできます。

照度センサ

照度センサは、明るさを数値で測定するIoTセンサです。環境整備や省エネ対策に効果的です。例えば、人が少ない時間帯に照明を自動で弱めたり、工場やオフィスで必要な明るさを維持したりできます。快適性と電力削減の両立を目指す場面で役立ちます。

加速度センサ

加速度センサは、揺れや傾き、振動の変化を検知するセンサです。異常の兆候を見つけやすいため、設備管理でよく利用されます。モーターや搬送機器の振動が普段と違えば、部品摩耗の可能性があるため、早めの点検につなげたい場合におすすめです。

人感センサ

人感センサは、人の動きや存在を検知するセンサです。照明の自動点灯や防犯対策に使われています。会議室やトイレの利用状況を把握したり、無人エリアへの侵入を検知したりすることも可能です。人の出入りを効率よく把握したい場面に向いています。

位置情報センサ

位置情報センサは、人や車両、荷物の場所を把握するためのIoTセンサです。物流や屋外業務で特に活躍します。配送車の現在地確認、資材の所在管理、作業員の安全確認などに利用されています。移動体を見える化したい場合に便利です。

CO2センサ

CO2センサは、空気中の二酸化炭素濃度を測定するセンサです。換気の目安を把握しやすくなるため、オフィスや学校、店舗などで導入が進んでいます。数値が高くなれば換気を促す運用も可能です。室内環境を整えたいときに役立ちます。

水位センサ

水位センサは、水槽や河川、タンクなどの水位を確認するためのセンサです。あふれや減水の防止策として使われています。例えば、貯水タンクの残量確認や排水設備の監視、防災対策での河川監視などが代表例です。液体管理を自動化したい場面に適しています。

河川の防災対策に活用できる「危機管理型水位計」については、以下のページで詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

電流センサ

電流センサは、機器に流れる電流量を測定するIoTセンサです。設備の稼働状況や電力使用量の把握に役立ちます。機械が停止しているのに待機電力が高い場合に、無駄な消費の原因を特定できます。省エネや設備監視を進めたい企業に向いています。

においセンサ

においセンサは、特定の臭気や空気成分の変化を検知するセンサです。食品工場やごみ処理施設、研究所などで活用されています。人の感覚だけでは判断しにくい臭気を数値化しやすい点が特徴です。品質管理や周辺環境への配慮を強化したい場合に有効です。

IoTセンサの選ぶときのチェックポイント

IoTセンサの種類は多いため、価格だけで選ぶと導入後に使いにくさを感じることがあります。目的や設置場所、通信環境などを事前に確認することが大切です。ここでは、IoTセンサを選ぶときにチェックしたいポイントを解説します。

導入目的と取得データ

IoTセンサ選びでは、まず導入目的を明確にすることが重要です。目的が曖昧なまま導入すると、必要のないデータが集まって活用しにくくなります。

「何を改善したいのか」「どの数値を見たいのか」を先に整理すると、選定の方向性が見えてきます。

  • 倉庫の品質管理:温湿度
  • 設備の故障予防:振動・電流
  • 人の出入りを管理:人感・開閉

機器の選定より先に目的設定を行うことが、IoTセンサ選びに失敗しないための近道です。

測定の精度や頻度

必要な測定の精度と頻度に合ったIoTセンサを選ぶことも大切です。高精度な機器ほど価格が上がる傾向があり、用途によっては標準的な性能で足りることもあります

例えば、オフィスや店内フロアの室温管理であれば、高精度は必要ありません。一方で、食品管理や研究などの用途では、細かな誤差が問題になることがあります。

また、「1分ごとに測るのか」「1時間ごとでよいのか」によって、通信量や寿命が変わります。必要以上の性能を求めすぎず、用途に合ったIoTセンサを選ぶことが現実的です。

設置環境と耐久性

IoTセンサが設置環境に耐えられるかを確認する必要もあります。屋外や工場、厨房などは、雨・ほこり・高温・湿気・油分などの影響を受けやすいためです。

室内用のセンサを過酷な現場に置くと、故障や誤作動の原因になりかねません。

  • 屋外設置:防水・防じん性能が必要になる
  • 振動が多い場所:耐衝撃性が求められる

長く安定して使うためにも、環境に合った耐久性は重要な判断材料です。設置場所の条件を整理し、温度帯や保護性能を確認しておきましょう。

通信の方式と速度

IoTセンサの通信方式・速度が利用環境に合っているかも確認しましょう。通信方式によって、届く距離や速度、消費電力、月額費用などが変わるためです。

動画のような大容量通信と違い、IoTセンサには少量データを定期的に送信する用途があります。

  • 社内ネットワークが使える場所ならWi-Fi
  • 近距離連携ならBluetooth
  • 広い敷地や遠距離送信ならLPWAや携帯通信網

以上のように、全ての用途に高速通信が適しているわけではありません。設置場所と送信データ量に合う通信方式を選ぶことが大切です。無線通信規格の種類については、以下のページに詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

導入と運用のコスト

IoTセンサ選びでは、本体価格だけでなく運用コストまで含めて検討することが重要です。導入後には、通信費やクラウド利用料、電池交換、保守対応などの費用が発生します。

本体価格が安くても、月額費用が高ければ長期的な負担が大きくなります。反対に、初期費用がやや高くても、保守性が高く長く使える製品もあるのです。

まずは数台を試験的に導入し、費用対効果を検証する方法が効果的です。総合的なコストパフォーマンスを検討しましょう。

用途に合うIoTセンサを導入しよう

導入目的や設置環境に合った製品を選ぶことで、IoTセンサの効果を発揮しやすくなります。取得したいデータや運用方法を整理し、自社の課題解決につながるIoTセンサを導入しましょう。

三信電気株式会社では、IoTセンサの導入や運用などをご支援しています。

お客様の課題を解決できる機種の選定や導入の方法をご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。