エッジデバイスとは?メリット・活用例・種類・注意点などを解説

画像引用元:当社「AI遠隔監視システム」(https://www.sanshin.co.jp/solution/iot/remote-ai/)

エッジデバイスとは、データの発生源に近い場所で処理を行う機器のことです。本記事では、エッジデバイスの仕組みからメリット、活用例、種類、注意点までについて分かりやすく解説します。

エッジデバイスとは?

エッジデバイスとは、データが発生する現場に近い場所で情報処理を行う機器のことです。クラウドと組み合わせて使われることが多く、リアルタイム性や効率性を高める仕組みとして注目されています。ここでは、エッジデバイスの仕組みと役割を解説します。

仕組み

エッジデバイスは、データを現場で処理する仕組みです。

  • 従来のデバイスでは、取得したデータをすべてクラウドへ送信して処理していた
  • エッジデバイスでは、データ処理の一部を現場で行う

現場でデータの一部を処理することで、必要な情報だけをクラウドに送ることが可能です。例えば、監視カメラで記録した映像をすべて送るのではなく、異常を検知したときだけ通知できます。

したがって、エッジデバイスを導入すれば、効率的でスムーズなデータ活用が実現できます。

役割

エッジデバイスの役割は、データ処理の負担を分散し、迅速な判断を可能にすることです。

  • クラウドだけに依存すると、通信遅延やネットワーク負荷が問題になる
  • エッジデバイスで処理することで、問題を解消しやすくなる

例えば、工場の設備監視では、異常を即座に検知して停止処理を行う必要があります。エッジデバイスを導入して現場でデータを分析すれば、異常を検知した時点で即座にアラートや制御が可能です。

つまり、エッジデバイスが役割を発揮することで、システム全体の安定性や効率性が向上します。

エッジデバイスを活用するメリット

エッジデバイスを活用することで、データ処理の効率化や安定性が向上します。通信遅延の抑制や通信負荷の軽減、セキュリティの強化などがメリットです。ここでは、エッジデバイスを活用するメリットについて詳しく解説します。

通信遅延を抑えてリアルタイムでデータを処理できる

エッジデバイスを活用する大きなメリットは、通信遅延を抑えてリアルタイムでデータを処理できる点です。

  • クラウドにデータを送って処理する場合は、どうしても通信の時間が発生する
  • エッジでは現場で処理を行うため、待ち時間がほとんどない

例えば、自動車の自動運転や工場の設備制御では、わずかな遅れが大きく影響するため、即時処理が重要です。エッジデバイスを活用することで、ブレーキ制御や緊急停止などの判断を現場で行えます。

スピードが求められる場面では、エッジデバイスが効果的に機能します。

クラウドへの通信量を減らせる

エッジデバイスを活用すれば、クラウドへの通信量を減らせます。すべてのデータをクラウドに送るのではなく、必要な情報だけを選別して送信できるためです。

例えば、監視カメラで常時録画した映像をすべて送るのではなく、異常が検知された場面のみを送ることで、通信量を大幅に抑えられます。結果的に通信コストやネットワーク負荷を軽減し、より効率的なシステム運用が可能です。

以上のように、エッジデバイスは不要なデータ通信を減らし、全体の運用コストと負荷の最適化に貢献します。

ネットワーク障害時も継続して運用できる

ネットワーク障害が発生しても継続して運用しやすい点も、エッジデバイスのメリットです。

  • クラウドに依存するシステムでは、通信が途切れると処理が止まることがある
  • エッジでデータを処理すれば、一定の機能を維持できる

例えば、工場の生産ラインでネットワークが不安定になっても、エッジデバイスがあれば設備の監視や制御を継続できます。現場で判断や制御を完結できるため、通信障害の影響を受けにくくなります。

したがって、エッジデバイスは、システムの安定性を高めるためにも役立ちます

機密データを現場で処理しやすい

エッジデバイスを活用すれば、機密データを現場で処理しやすくなります。データを外部のクラウドに送らずに処理できるため、情報漏洩のリスクを抑えやすくなります。

例えば、個人情報を含む映像データや企業の重要な製造データなどの処理では、外部に送信せずに対応するほうが安心です。クラウドに送信するデータを必要最小限に絞れるため、情報管理のリスクを低減できます。

つまり、エッジデバイスを活用することで、データ処理のセキュリティを強化してシステムを運用できます。

エッジデバイスの活用例

エッジデバイスは幅広い分野で活用されており、データのリアルタイム処理や業務の効率化などに貢献しています。特に製造や小売、交通・物流などの分野で、現場の課題解決に役立っています。

工場の設備監視や予知保全

エッジデバイスは、工場の設備監視や予知保全に活用されています。機械の異常を早期に検知できるからです。

センサーやカメラで取得した温度や振動などのデータをエッジデバイスが現場で分析することで、異常の兆候をリアルタイムで把握できます。例えば、モーターの振動が通常と異なる場合に警告を出すことで、大きな故障を未然に防ぐことが可能です。

以上のように、エッジデバイスは、生産ラインの安定稼働を支える重要な役割を担っています。

店舗の顧客分析や在庫管理

エッジデバイスは、店舗の顧客分析や在庫管理にも役立ちます。来客の動きや在庫の状況などを効率的に把握できるからです。

店舗に設置されたカメラやセンサーのデータをエッジで処理することで、顧客の来店数や滞在時間、在庫数の変化などを即座に確認できます。例えば、特定の商品棚の前で顧客が多く滞留している場合には、売れ筋商品として判断することが可能です。

したがって、エッジデバイスのデータ分析を活用すれば、店舗運営を改善しやすくなります。

自動運転や監視カメラの画像処理

エッジデバイスは、自動運転や監視カメラの画像処理にも広く使われています。瞬時の判断が必要な場面で、迅速にデータを処理できるからです。

自動運転では、車両に搭載されたエッジデバイスが周囲の状況をリアルタイムで解析し、ブレーキやハンドル操作を制御します。監視カメラでは、不審人物や異常発生などを検知して通知する仕組みが利用されています。

エッジデバイスは、安全性の向上や運用の効率化などを促進するために効果的です。

エッジデバイスに関するよくある質問

エッジデバイスについては、クラウドとの違いや種類、注意点などに関する疑問を抱くものです。ここでは、エッジデバイスに関するよくある質問に回答していきます。エッジデバイスを効果的に活用できるように、疑問を解消しておきましょう。

クラウドの違いは何ですか?

エッジデバイスとクラウドの違いは、データ処理を行う場所と適した用途です。

データ処理の方法エッジデバイスクラウド
データ処理の場所現場遠隔サーバー
適した用途リアルタイム処理や即時判断
(自動運転や設備制御、監視カメラの異常検知など)
大量データの蓄積・分析
(ビッグデータ分析やAI学習、バックアップなど)

ただし、どちらか一方だけではなく、エッジデバイスとクラウドを組み合わせることで、効率的なシステムを構築しやすくなります。

どのような種類がありますか?(温湿度センサー・ドラレコ・監視カメラなど)

エッジデバイスには、IoT機器や映像処理機器、産業用機械などの種類があります。

エッジデバイスの種類具体例
IoT機器温湿度センサー、加速度センサー、GPSモジュールなど
映像処理機器監視カメラ、ドライブレコーダー、AIカメラなど
産業用機械PLC(制御装置)、産業用ロボット、設備監視装置など

例えば、監視カメラが異常を検知して通知する仕組みには、エッジデバイスが活用されています。用途に応じて、さまざまなエッジデバイスを活用できます。

活用するときの注意点はありますか?

エッジデバイスを活用する際は、運用体制やセキュリティ対策に注意しましょう。現場に複数のデバイスが分散して配置され、管理の手間が増えるからです。

複数のデバイスを現場に設置すると、ソフトウェア更新や障害対応などを個別に行う必要があります。また、物理的にアクセスできる場所に設置される場合は、不正アクセス対策も重要です。

したがって、エッジデバイスの導入前に、管理体制をあらかじめ検討することが大切です。

エッジデバイスの活用方法を検討しよう

エッジデバイスを活用すれば、データ処理のリアルタイム性と効率性が向上します。用途や環境に応じてクラウドと組み合わせながら、自社に適した活用方法を検討することが大切です。

三信電気株式会社では、エッジAIを活用した製品の開発や製造、導入・運用の支援などに対応しています。

お客様の課題を解決できる機種の選定や導入の方法をご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。