【現地レポート】ROCKCHIP最新展示会 in 福州

~現地の熱気と技術革新を、日本の皆さんにお届けします!~

こんにちは。初めまして、三信電気のオウと申します。

いつもは裏方としてROCKCHIP製品をご紹介している私ですが、

今回はちょっと前に出てレポートを書かせていただきます!

というのも、2025年7月に中国・福建省福州市で開催されたROCKCHIP社の自社展示会「RKDC2025」に、今年も現地参加してきました。

ほぼ毎年参加していますが、今回は特に内容が濃く、来場者数・熱量ともに過去最大。この興奮と学びを、皆さんと共有したいと思います。

■ まずは自己紹介をかねて

三信電気(株)は、ROCKCHIP社と15年以上の付き合いがある、日本国内の正規代理店です。

私はその中でも、中国語ネイティブの強みを活かして、ROCKCHIPとのやり取りや現地情報のキャッチアップを担当。

なので、この展示会のような場で得た一次情報を、日本のお客様にいち早くフィードバックするのが役割なんです!

■展示会の基本情報

 場所:中国 福建省福州市 海峡国際展示センター
 日程:2025年7月17日(木)~18日(金)
 主催:Rockchip社
 参加者数:4,000人以上(前年より大幅増)
 参加企業:2,000社(全て事前登録制・RK関連企業)

写真:展示場の正面

■展示会の全体概要

 Rockchip製品の最新ロードマップが発表され、次世代フラッグシッププロセッサのRK3688、3D構造使用したNPUアクセサリーのRK18XXシリーズなどの新製品企画を公開。

 展示ブースではNPUアクセサリー、車載、ロボットなど11分野にわたり多数のデモ/製品を出展。

 iFLYTEK社などAI先進企業も登壇し、AI応用や業界動向に関する講演あり。

 サードパーティー58社が共同出展し、幅広い製品・技術を披露。

 分野別セミナーやワークショップも同時開催。

■メインフォーラム内容(製品ロードマップ等)

▸次世代SoC/NPU製品情報★

製品名    特徴・進捗
RK3688    フラッグシッププロセッサ(開発中)
RK3668    RK3688の下位プロセッサ(開発中)
RK1860    新しいNPUアクセサリー(開発中)
RK1820    新しいNPUアクセサリー、ES済み
RK1828    新しいNPUアクセサリー、来月ES予定
RK3572    新しいミドルエンドSOC 25年Q4ES
RK3538    Streaming Player向け新しいSOC、25年Q4ES
RK2116    Dolby/DTS対応するオーディオSoC ES済み
RV1126B   4K IPC SOC
その他 各種I/Fチップ(RK629A等)、AMP、WiFi、Streaming向け製品

まだ正式リリースされてないので、上記SoCのスペック情報などを知りたい方はご連絡ください。

■AIoT2.0:次世代AI戦略と製品展開

写真:演説テーマ:AIoT2.0‐‐(AI)モデルイノベーションよる製品再創造

▸RockchipのAIoT2.0戦略

比較項目              AIoT1.0                                           AIoT2.0

構成                     システム別                                       モデル・機能統合

処理内容              特定タスク処理                                汎用的・人間的な意思決定

技術進化              システムアップグレード中心           モデルベースの進化

▸AIoT2.0の4つの優位性

基盤技術化:AIがツールからコア技術へ進化

 効率性:Densing Lawにより時間・コスト最適化

 量産加速:標準化により市場投入が早い

 柔軟性・個人化:データ/アルゴリズム最適化で多様な応用が可能

▸AIoT2.0の課題

 AI基盤強化と知的組織構築

 音・視覚・三次元位置などの高精度要求

 サードパーティー参入による品質問題

 セキュリティ・倫理確保

▸Rockchip社のロードマップ策定方針

 SoCとNPUを並行開発

 姉妹チップによる複数SKU展開

 SerDes技術、低消費電力RF、次世代パッケージ技術、SoCカスタマイズに注力

■展示ブースの主な内容

▸NPUアクセサリー

写真:20TOPSのNPUアクセサリーチップを搭載した基板モジュールとDEMO

NPUアクセサリーの市場優位性

 拡張性が高く、ホスト側のFW変更不要

 多様な性能ニーズや製品更新への対応が容易

 エッジでのLLM使用メリット

 リアルタイム性

 オフライン使用可能(環境依存なし)

 セキュリティ性・データ保護

 コスト削減に有効

▸車載分野

 写真:BYD・広州汽車のEVカー (中国でEVカーのナンバープレートの色は緑色)

 RK3588M×2:HUD・ミラー・リアディスプレイ制御

 RK2118M:前席スピーカー制御

車載向けRK3588Mx2個を内蔵した制御モジュール

RK2118Mを内蔵したオーディオ制御モジュール

▸ロボット

写真:犬型ロボット

写真:人型ロボット

 人型/犬型ロボットにRK3588Sを搭載

 RK社としてロボットを明確にターゲット市場に位置付けたのは初

▸その他 従来分野

写真:各分野のブース

 商用/産業/会議/オーディオ/コンシューマー/マシンビジョンなど

■セミナーとワークショップ

AI技術、車載、ロボット、産業、ヴィジョン、知能、SWとOS、オーディオ、HWのセミナー

とAudioワークショップ、ISPチューニングワークショップ、AI開発ツール(RKNNTool)ワークショップを同時開催

セミナーの様子

Audioワークショップの様子

RK2118EVBを用いて、RKStudioTool(音響設計ツール)を実際に触ることができます。

予め色んな機能モジュールを用意されて、シンプルなオーディオシステムならすぐ構築し音響と消費電力を確認できます

■サードパーティー

中国各地から58社が出展、HW、SW含めて幅広く製品が展示されました

写真:一部のサードパーティーさんのブース

最後に簡単ですが会場の雰囲気を伝えて頂ければ幸いです。

Rockchip社製品に興味あれば、詳細紹介できますのでご連絡お待ちしております。