【技術検証】BLEロングレンジ(Coded PHY)はどこまで届くのか?MWL01で長距離通信を検証

こんにちは、三信電気の鮎太郎🐟です。
弊社で販売しているBlutooth®製品で、BLEロングレンジ(Coded PHY)に対応したものがいくつかあるのですが、実際にどれくらい距離まで通信できるの?というご質問を良く頂きます。
メーカーのカタログスペックには記載がありますが、実際のところどうなのかというのを実験しましたので、実環境での検証結果をご紹介します。

BLEロングレンジ(Coded PHY)とは?

ちなみにBLEロングレンジとは、Bluetooth 5で導入された通信方式で、従来の1M PHYと比較して通信距離を大幅に伸ばすことが可能です。

主な特徴は以下の通りです:

  • 通信速度を犠牲にすることで感度を向上
  • Forward Error Correction(FEC)による耐ノイズ性向上
  • S=2 / S=8 の2種類の符号化方式
PHY通信速度特徴
1M PHY1 Mbps標準
2M PHY2 Mbps高速・短距離
Coded PHY (S=2)500 kbps中距離
Coded PHY (S=8)125 kbps長距離

使用機材

今回の検証では以下の機材を使用しました。

  • BLEビーコン:Minew MWL01(nRF52シリーズ搭載)
  • 受信側:BLE対応スマートフォン/Galaxy SC-03L
  • 測定ツール:Minew Beaconset+

※:MWL01の標準品はCoded PHY非対応となります。今回はカスタム品を使用して実験しました。

検証環境

実験は以下の環境で実施しました。

  • 当社周辺の屋外(見通し環境)
  • Tx-Power:+8dBm

上の写真の通りで、MUDO📿さんにビーコンをコートのポケットに入れて立っててもらいました。

測定方法:

  • 一定距離ごとにRSSIを取得
  • 受信可否および安定性を確認

検証結果

屋外(見通し環境)

  • 最大通信距離:約200 m
  • 安定受信距離:約150m
  • RSSI:-85 dBm(200 m地点)

見通し環境では、期待通りに長距離で通信が可能であることを確認しました。

Googleマップで距離を測定。

200メートル離れた場所からMUDOさんの方角を撮影した写真。肉眼ではもうどこにいるかわかりませんでした。

IoT用途での活用イメージ

BLEロングレンジは、LoRaほどの長距離ではないものの、

  • インフラ不要(スマホやゲートウェイで受信可能)
  • 低コスト
  • 消費電力が低い

という特徴から、以下のような“中距離IoT”領域で有効です。

  • 工場・倉庫の設備監視
  • ビル設備の状態監視
  • 仮設現場のセンシング

まとめ

MWL01を用いた検証の結果、BLEロングレンジは実環境においても十分な通信距離を確保できることが確認できました。

特に、

  • 数百メートル規模の通信
  • 低消費電力デバイス
  • インフラレス構成

といった条件において、有力な選択肢となります。

今後は、実際のIoTシステムへの組み込みや、ゲートウェイ連携による広域展開についても検討していきます。
また、実際に実物を見てみたい、使ってみたいなどご要望ありましたらサンプルのお貸出しなども対応しますので、お気軽にお問合せ下さい。